ERC20トークンをエアドロップ(Airdrop)してみよう

目次

エアドロップとは

エアドロップと言えばAppleのファイル共有機能を想起する人が多いかもしれないが、クリプト文脈ではトークンの購入に繋げるためのマーケティング施策としてトークンを無償で配布することを指す。

エアドロップイベントに参加するためにマーケティング効果のあるタスクを課したり、トークンの無償配布をすることで追加的なトークンの購入が期待されたり、無償で入手できた喜びを拡散してもらうことで認知度が高まることが期待される。

また、ウォレットへのトークンの登録(ウォレット内の検索で表示されるようになる)のためには一定以上のトランザクションやホルダー数が必要になることが多いので、当該目的においても効果がある。

事前準備

まずはエアドロップするトークンを準備する。

複雑でないERC20トークンはOpenZeppelinのライブラリとRemixを利用することで簡単に作成し、メインネットにデプロイすることができる。

ユーザー間で交換を行うためには取引所での取り扱いが必要になるが、CEXに上場するためには申請書やwhitepaperやpitch deckなどの様々な書類や上場手数料等が必要となる一方で、UniswapなどのDEXで取引可能とするためには誰かが(誰でも良い)流動性を供給すれば取引可能となる。

バナーを作る

まず、バナーのサイズは以下のMEXCのものを参考にし、1200 x 675 pixelとする。

次に、トークンのロゴを用意する。

例えば以下のロゴだとしよう。

楕円形ツールで正円を描画する。

正円を選択し、3Dとマテリアル > 3D(クラシック) > 押し出しとベベル(クラシック)を選択する。

ベベルを標準に設定し、詳細オプションで光が当たる位置を調整する。これだけでかなりコインっぽくなった。

ウィンドウからシンボルを追加する。

シンボルのウィンドウにトークンのロゴをドラッグ&ドロップする。

押し出しとベベルオプション(クラシック)で、マッピングを選択。

先ほど登録したシンボルをマッピングする。

あとは角度やサイズを変えるだけで、簡単にトークンを使ったデザインすることができる。

上掲のMEXCのロゴのように、コインの側面にギザギザを付けることも可能だ。

直線ツールで直線を引き、線幅を太くした上で破線にする。

これを再びシンボルに登録する。

破線のシンボルを側面にマッピングすれば完了だ。

これでギザ付きのトークン画像が出来上がった。

あとはバナーに嵌め込めば完成だ。

あくまでも説明のために作成するため、完成度を意識しない。

Gleamを使ってエアドロイベントを実施する

Gleamはマーケティングのプラットフォームで、Giveawayを効率的に行うために利用する。

ユーザーがGiveawayに参加する条件として、Twitterのフォローやリツイート、Discordへの参加、イーサリアムアドレスの提出などを手作業で集計することは現実的ではない。Gleamを使用すれば、これを全て自動的に行うことができる。

ここではGleamのCompetitionsの機能を利用する。

Competitionの作成

トークンの購買に繋げるためのマーケティング施策として、ユーザに様々なタスクを課し、ユーザーがプロジェクトに触れる頻度の増加・理解の向上・拡散などを促そう。

Twitterのフォローやリツイートをタスクに設定するなどにより、拡散を狙う。

リファラルを有効にすることで、より能動的な紹介が期待される。

トークンを送信するため、wallet addressを収集することを忘れないようにしよう。

完成すると、以下のようなWebページが作成されるので、Twitterなどで拡散しよう。

当選者の選定

当選者はランダムかマニュアルで決めることになるが、主催者が恣意的に結果を操作できないような仕組みになっている。

方法内容
Random Winnershttps://random.org/ を利用して真の乱数により抽選を行う方法。
賞品、当選者数、応募期間を指定してランダムに抽選を行うことができる。
Manual Winnersランダムな要素を含まない場合に手動で抽選を行う方法。
なお、結果の操作が行われていないことについてGleamが監査を行なっている。

当選者はヴィジェットで公開することができ、フルネームは省略されて表示される。

実際にAirdropが行われたことをTweetなどで表明してもらうことでラッフルの信頼度が高まるため、当選者に対しては発信を促すことが重要となる。

エアドロップの実行

トークンをマルチセンド(一括同時送信)するためのサービスは複数存在しているが、ここでは手数料が安くて、dapp radarが運営している上にteamがdoxxingしていて安心度が高いcryptomultisenderを利用する。

マルチチェーン対応しており、ブロックチェーンネイティブトークンやその他のFT、NFTなど様々なトークンの送信に対応している。

Fiat建で表現するのはナンセンスな気がするので敢えて行わないが、手数料は非常に安く、フリートライアルまで用意されている。

アドレスのリストは手入力またはExcel, CSVでの提出となる。

ERC20の場合は、以下のように受信者アドレスと数量を入力すれば足りる。

addressvalue
0x2F25A26C7C54baa85a0d49460BC1D3b2d37f161b100
0xEA5073292D40430cc24aa1bF7EE483889787a415150
0x968EA5f3Bc5Be964364D09b23f2eEDe7d5AE66bD175
0x7d89f132eb3b60a11C01279AB380b5Ee3fa1426685

ERC721の場合は、以下のようにTOKEN IDを入力する(1ID = 1NFTであるため)。

addressid
0x2F25A26C7C54baa85a0d49460BC1D3b2d37f161b0
0xEA5073292D40430cc24aa1bF7EE483889787a4151
0x968EA5f3Bc5Be964364D09b23f2eEDe7d5AE66bD2
0x7d89f132eb3b60a11C01279AB380b5Ee3fa142663

ERC1155の場合は、以下のようにTOKEN IDと数量を入力する(1IDで複数個MINTすることができるため)。

addressidamount
0x2F25A26C7C54baa85a0d49460BC1D3b2d37f161b0500
0xEA5073292D40430cc24aa1bF7EE483889787a415120
0x968EA5f3Bc5Be964364D09b23f2eEDe7d5AE66bD210
0x7d89f132eb3b60a11C01279AB380b5Ee3fa1426631

手入力の場合、項目ごとに以下のようにカンマを入れれば良い。

次に、配布するトークンのauthorizationを付与することとなるが、これを増加させることで、都度approveしなくて済む(ガス代を支払わなくて済む)ようになる。

今回はExactのままにして、approveする。

その結果、revoke.cashで対象のトークンを見ると、許可した数量についてallowanceが設定されている。

AllowanceをMaxにした場合、仮にこのスマートコントラクトがrug pullだった場合は全て盗まれる可能性があるので、便利さとセキュリティは裏表の関係にある。

複数回エアドロップを行うのであれば、予算合計量を特定のアドレスに格納し、Maxにして最悪盗まれても仕方ない、というような運用も良いかもしれない。

あとは、SUBMIT AIRDROPで完了だ。

トランザクションが通った後に各対象者のアドレスには対象のトークンが指定した数量入っていることだろう。

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