留意事項
下記の内容は著者がテックキャンプを卒業した時点(2020年2月8日)の著者の状況や開示されている情報に基づく記載であるため、その後のカリキュラムや規約等の変更は加味されていない。

2019/8よりTECH::CAMPの受講をしており、2020/2に一通りカリキュラムを終えた。
卒業制作(オリジナルアプリケーション)については提出してもしなくてもどちらでも良いとのことであった。
Webテキストが優秀であったため受講期間中にあまり質問することもなく、本格的に制作するのであれば月会費がもったいないので卒業してからにしようと思い、取り急ぎYouTube動画投稿Webアプリを適当に作って卒業することにした。

その後メンターから下記のような内容のコメントをいただいた。
卒業制作は意図した通りに動くモノを作るのが目的で、それが達成できているかが重要で、それが実現できていれば問題ない。
オンライン質問回答要約
これについて、コードを何も見ずに書くことはできないがググりながらコピペすれば作りたいモノを自分の手で作れると思ったので卒業と判断し、退会申請をした。
こうして俺のテックキャンプ生活は幕を閉じたが、せっかくなので今までの振り返りをまとめてみた。
テックキャンプ卒業までの道のり
まず、テックキャンプの概要やプログラミング学習に対する考え方については以前に書いた記事を読んで欲しい。

リテラシー習得の目的でテックキャンプで始めたプログラミング学習であったが、目的は達成することができた。
これから初めてプログラミング学習をしようかと検討している人のために、俺がどういう状況で学習し、どうなって、どう思ったかをできるだけ詳細に記載しようと思う。
・IT業界従事経験なし
・プログラミング未経験
・HTMLの基本的な構造はなんとなくわかる
・CSSやJavaScriptは全然わからない
・Ruby on Railsも全く初めて
・応用情報技術者資格取得済で用語に対する抵抗感はあまりない
・転職したばかりで多忙
・週に5〜10時間くらい学習時間が確保できた(稀にゼロの週もあり)
・Ruby on Railsがなんとなくわかるようになった
・CSSやJavaScriptもほんの少しわかるようになった
・データベースやセキュリティなど周辺分野も少しわかるようになった
・どうやって開発するかの具体的なやり方がわかるようになった
→何もない状態からコーディングすることはできないが、コピペとライブラリの組み合わせで「やろうと思えば何かしら作れる」状態になった。
入会日:2019年8月3日
受講開始日:2019年8月16日(93期)
退会申請日:2020年2月8日(103期)
退会日:2020年3月15日(105期)
月会費:16,280円(税込)× 6ヶ月 = 97,680円
入会金:149,000円(即日入会により1万円引、初月月会費込)
合計:246,680円(期間は7ヶ月分)
7ヶ月も続けてしまったので、なかなかコストがかかった。
ちなみに、卒業するにあたっては
退会ではなく卒業であったとしても、期の終了日の10日前までに退会申請をしないともう1ヶ月分料金を取られる
という点には注意が必要だ。俺の場合は2月8日にやることがなくなってしまったが、3月15日までしっかり料金を取られることになったので、修了が見えてきた人は解約期限を意識して行動した方が良い。
この度は、Webコースのカリキュラムをすべて学習し終えた状況かと存じます。
質問回答メールより抜粋
恐れ入りますが、カリキュラム学習終了のタイミングに関わらず次回期の継続停止をご希望の場合は、現受講期終了日の10日前までにご連絡を頂く必要がございます。
※皆様一律で上記スケジュールとなっております。
nue様におかれましては103期(1月16日〜2月15日)をご利用頂いており、既に終了日10日前を経過しておりますため、次回105期(2月16日〜3月15日)は継続となり、107期(3月16日〜)からの継続停止となります。
※こちらのメールを持って107期(3月16日〜)からの退会手続きは承らせていただきます。そのため、AIカリキュラムやデザインカリキュラムなど学習いただけますと幸いです。
期の数え方について
俺が在籍していたのは下記の期間であるが、数え方が1飛ばしになっている。
93期(8月16日〜9月15日)
95期(9月16日〜10月15日)
97期(10月16日〜11月15日)
99期(11月16日〜12月15日)
101期(12月16日〜1月15日)
103期(1月16日〜2月15日)
105期(2月16日〜3月15日)
これについては、1ヶ月の区切りが①当月1日〜月末②当月16日〜翌月15日の2種類に設定されているためであり、例えば94期は9月1日〜9月30日に設定されている。
パッと見で12期経っているので1年在籍しているかのように見えるが、そうではない。
学習時間については復習を加味しないカリキュラムの時間だけで142時間を要するので十分に時間を割ける人でないと高額な月会費を払い続けることになるので注意だ。
なお、2020/3/2より値上されるので、その点もご注意されたい。
※価格表はコチラ↓
リンク先の価格表は税抜ベースだが、税込ベース(支払額ベース)だと以下のようになる。
税込表示 | 2020/3/1まで | 2020/3/2以降 |
入会金 (初月会費込) | 162,800円 | 217,880円 |
月額料金 | 16,280円 | 21,780円 |
2020/3/2以降に入学して仮に俺と同じくらいのペースで学習し、7ヶ月で卒業した場合の支払総額は348,560円となる。俺が受講を始めた時期よりも10万円アップとインパクトの大きい値上であるので、入会の見込みが高い人は2020/3/1までに入会すべきだ。
なお、PCを所有していない場合は上記に加えて別途PC代が必要だ。また、通学する場合は交通費もかかる。
学習時間:概ね200時間程度
学習場所:ほとんどカフェ、たまに自宅で学習。
教室利用回数:1回
教室での質問回数:1回
オンライン質問回数:11回
評価すべき主要な項目について5点満点で評点をつけると下記のとおりだ。
コスパの良さ | ★★★☆☆(3点) |
内容の満足度 | ★★★★☆(4点) |
教室の満足度 | ★☆☆☆☆(1点) |
運営の満足度 | ★★★☆☆(3点) |
アフターサービス | ★☆☆☆☆(1点) |
→総合的にテックキャンプを受講して良かったかどうかという観点では、良かったと判断している。
やや残念な点もあったが、若い会社であるので今後に期待だ。

コスパの良さ(★★★☆☆)
長期化したことは自分の責任であるが、長期化するとコスパが悪いと実感した。あくまで自分の状況から見たコスパとして採点し、3点とした。
コスパの損益分岐点
入学金が俺が入学した時点で15万円高額である上で、更に毎月2万円程度の支払いが必要になるため、コストの絶対額として高額であることは言うまでもない。
パフォーマンスについては後述するが、講座自体は優秀なカリキュラムであるという印象を受けた。
そして、コスパがバランスしているかどうかについては、「いくらならこの講座を買いますか?」というところだと思うが、得られた能力と自分に必要であっただろう先方のコストから考えると、個人的な感覚としては15万円〜20万円、つまり、入学金とトントンかもうちょいくらいは払ってもいいなーという感覚を持った。
もっとうまく教室を利用できていたら感覚は違ったと思う。
俺は最終的に25万円で完走したが、なんとなく払いすぎた感が残ってモヤモヤした。
前述のようにこれは個人的な感覚であり、他社サービスと比較したりしてコメントしているわけではない点は留意されたい。
長期化すると泥沼
なお、月額制であるため、当然長期化する程にコスパが悪化する。
忙しくて手をつけられない時期も含めて毎月2万円弱払い続けるのは心理的に苦しかった。
例えば転職の境目で休んでいる社会人とか、大学生が夏休み等を使って集中して1ヶ月〜2ヶ月で仕上げるのであればコスパは良いと言える。
残業が当然だったり家庭があったり、ファッション感覚だったりと、ダラダラ学習するには向いていないと言えよう。
不定期に忙しくなる人向けに買い切りコースを用意して欲しいところだ。

内容の満足度(★★★★☆)
内容については概ね満足しているためので4点とした。
挫折せず完結し、自走できるようになる
プログラミングの挫折率は9割と言われており、独学だったらセットアップの段階で挫折していたかもしれないが、完走することができた。
コースを一通り学習し終えると、Ruby on Railsの基本的なコードとライブラリの使い方がわかるようになるので、それっぽいモノは作れるようになる。そこから先はググってコピペしたり本を読んだりすれば自分で作れるようになるので、
自走できる状態
になる。そこに至るところまでに大きな壁があって挫折する人が多いので、
価値は高いことは間違いない
だろう。
挫折しない理由
ちなみに挫折しにくい理由としては、Webテキストがかなり細かく書かれているので、それに沿って進んでいけば一応成果物が出来上がるようになっているからだ。
一方で、後半にかけて「これはこういうものなんで」という説明が散見されてくるようになり、素人が理解できるように説明する上で仕方ない点もあるが、不親切だと感じた点もあった。

教室の満足度(★☆☆☆☆)
教室についてはほぼ利用しなかったし、自分は必要性を感じなかったので1点とした。
メンターがいなくても良いので24時間開放してくれたら利用価値があったと思う。
教室利用は社会人向きではない
俺の場合はもったいないことに、ほとんど教室に行くことはなかった。
何故なら教室が空いている時間に教室に行くことが物理的に無理だったからだ。教室の利用可能時間は下記のとおり。
平日 | 16時~22時 |
土日祝日 | 13時~19時 |
仮に職場から30分圏内に教室があったとして、移動・セットアップを含めて1時間と考えると、平日は19時くらいまでに退勤できないと教室学習は厳しいだろう。
土日祝日も午前中が使えないので、残務やプライベートの用事をこなしながら固めて学習したい社会人ニーズに合致していない。
会員カードで入退室管理したりしてセキュリティを固めつつ、メンター在籍時間を決めて教室自体はエンドレスで解放するとかの工夫が欲しいところだ。
そもそも教室は俺には不要だった
ただ、ほとんど教室に行けなかったが、そもそも教室に行く必要性も全く感じなかった。
ブラウザでWeb上のテキストを読みながら、AWSのCloud9という作業スペースでプログラミングをするというのがテックキャンプの学習スタイルだ。
つまり、すべてがWeb上で完結する。故に当然教室で学習する必要はなく、自宅でもカフェでも好きな場所で学習できる。俺は仕事帰りにしばしばカフェで学習していた。
プログラムは初見で書けるわけもないので、ほとんどの人はWebテキストからコピペしながら作り上げていくことになると思うが、どう頑張ってもうまく行かない時があるので、そういう時には質問が必要になる。
教室にいればメンターと呼ばれるそれなりにプログラミングに詳しいらしい人が直に教えに来てくれるのだが、オンライン質問の方が圧倒的に効率が良いのでオフラインでは1度しか質問しなかった。
オンライン質問では、うまくいかない部分のコードを貼り付けてPCを閉じ、適当な頃合いに開くと返信がきているので、無駄な時間をかけずに問題を解決できる。
PC操作に疎い人や勉強が苦手な人には教室が有用なのかもしれないが、若くて勉強が苦手でない人は同じように教室不要という判断になるだろう。
ただ、カフェなどに比べて集中できる空間であるので前述のようにエンドレスで解放されていたら足繁く通っていたんだろうなと思う。
使わない教室維持費分が月会費に加算されていることを考えると、もったいないことにカネを払ってるなあと切なくなった。
上記を踏まえた上で俺と同様に通学不要と考える場合は、テックキャンプ以外のオンライン専門のプログラミングスクールを選んだほうが教室の賃借料と人件費分安く学習できて効率性は高いかもしれない。

運営の満足度(★★★☆☆)
メンターも良い雰囲気の人が多く、質問回答部隊の能力もバラツキはあるものの納得できたので3点とした。
誤植について
まず、Webテキストに誤植が少ないけど一部みられた。但し、これについてはカリキュラムに影響がないレベルだったので看過した。
クレジットカード決済のお知らせメールの誤植が2度あった。不安になって決済履歴を確認したところ決済自体は間違っていなかったが、間違えてはいけないポイントで間違えられると余計な心配をしなくてはならなくなるので注意して欲しい。
質問回答について
学習内容にかかる質問回答については全般的にスピーディで好感が持てた。ただ、速度・精度が人によって差があると感じた。回答が遅かったり、この人あんまりわかってないなっていう回答があった。
この点は自分の仕事で考えてみても担当者のレベルの差があるのは当然なので仕方がない点ではあると思う。

アフターサービス(★☆☆☆☆)
アフターサービスについては、卒業後にテキストを閲覧できなくなるという超絶塩対応により1点とした。アカウントの使い回しで事業の陳腐化を恐れているというような意図があるのかもしれないが、受講者が復習できないというのは不誠実なんじゃないかと思うので、この点は改めて欲しいと思っている。
これについては回避策もあるが、いずれにせよ前向きに新しいコンテンツを生み出すファイティングポーズをとって欲しいものだ。
※回避策については下記リンク先を参照して欲しい。


まとめ
満足・不満な点が混在する中、結論としてテックキャンプを利用したことに対して
総合的には満足
している。プログラミングは自走できる状態に至るまでが難儀であり、それを超えるためのカリキュラムとしては優秀であったと感じている。
利用してもいないくせに他社のサービスと比較しているサイトのような無責任はことは言えないが、テックキャンプというサービスを人に勧められるかと言えば、
短期間に固めて時間を十分に割ける人にはオススメ
であると言える。これからの時代を生きる上で間違いなく必要な能力であることは確かなので、取り組む環境が整う人は是非チャレンジしてみて欲しい。

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