合格体験記
まずは俺がどのような前提でどのように合格に至ったかを紹介する。
受験時の年齢:30代前半
勉強期間:1ヶ月前後
勉強時間:20時間前後
学習方法:独学(参考書購入)
前提知識:なし(IT知識という広い意味では応用情報技術者試験合格済)
最近はAIとかディープラーニングとかがトレンドであるが、一般的には「なんか知らないけど俺らの仕事を奪っていく凄いヤツ」とか、「カネになりそうな次の産業」くらいの認識しかないだろう。
その辺の会社のトップメッセージでマクロ環境を語っているマネジメントもどうせこの程度の理解なんだろうし、世間のIT業界のバズワードとの付き合い方もそんなものだ。
ただ、リアルに自分の将来を考えた場合、「それがどういうものであって、どう使われていくのか」ということを少し時間を割いてでも知っておいた方が良いんじゃないかなと思ったことが受験のキッカケだった。
俺の場合はIT産業で働いたことがないので、結果的に細かい知識はどんどん抜けてしまったが、「無知識」の状態から「見たことある」状態にしておくことでその後の情報の吸収力が大きく変わるのではないかと思っている。
ディープラーニングG検定とは?
どんな試験?
ジェネラリスト検定「JDLA Deep Learning for GENERAL」、通称G検定。
ディープラーニングに関する知識を有し、事業活用する人材(ジェネラリスト)の育成を目指すために設けられた検定試験だ。
このほかに、ディープラーニングを実装する人材(エンジニア=E資格)というのもあるが、こちらは「製作者」側向けの試験であり、あくまでも「利用者」である俺は今のところは縁がないと考えている。
どんな人が受けるの?
協会の発表した受験者の統計データを見てみよう。
上掲の図を見れば一目でわかるが、ほとんどがIT業界の人だ。
あとは各業界のミーハーな人がちょいちょい受けているという感じだろうか。まだ余り知られていない資格試験であるので、今後の受験者推移も気になるところだ。
合格率
俺が受験した2018♯2は受験者数は2,680名で合格者は1,740名、合格率は64.9%であった。
合格率が非常に高い試験であるが、あくまでも受験者の殆どがIT産業に所属している人であること、始まったばかりの試験であり意識の高い人が受けているということが想定されることを勘案すると、俺みたいな他業種の人間は特に気は抜けないだろう。
試験概要が分かりづらい
この試験は試験会場に集合して受験するわけではなく、自宅のPC等で受験するということもあり、とにかく概要がわかりづらい。
公式サイトを見ても試験概要がよくわからず、最近開始したばかりの試験なので調べてもあまり出てこなかった記憶がある。
せっかくなので試験概要を解説しようと思う。
下記は執筆時点での受験回での試験概要だ。
これを読んで俺が思ったのは、例えば下記のようなことだ。
- オンライン試験(自宅受験)ってどういうこと?
- 受験申込から合格発表までの流れはどんな感じ?
- 試験対策って何したら良いの?
- 120分226問って多くない?
これらについてコメントしてみる。
オンライン試験(自宅受験)とは?
この試験は、試験会場に集合して受験するような試験ではなく、自宅などの場所からオンラインで試験を受ける形式だ。
どこでも受けられる試験であるが、「いつでも」受けられる訳ではないことに注意が必要だ。
公式サイトによれば、2019年と2020年は年に3回実施される予定で、自宅のPC等で受験するものの、一般的な資格試験のように受験日のみならず開始時刻まで決まっているので注意が必要だ。
受験申込から合格発表までの流れ
まず、公式サイトから、受験申込期間中に受験申込をしよう。
受験申込が完了すると以下のようなメールが来る。
2018年11月24日(土) 13:00に試験(G検定)を開始してください。
【JDLA試験事務局】 受験お申込み確定に関して 抜粋
※13:10を過ぎると受験を開始できません。ご注意ください。
※試験時間は、試験開始から120分で自動的に終了となります。
My Pageにログインするには、下記URLにアクセスし、ご登録のメールアドレスとパスワードを入力してください。
受験日・開始時刻についての案内だ。
また、試験日が近づいてくると下記のリマインドメールが来る。
■受験日時:2018年11月24日(土)13:00~(120分)13:00にG検定試験を開始してください。
【試験事務局リマインド】2018#2 G検定の試験日が近づいております。 抜粋
■13:10を過ぎると受験を開始できません。ご注意ください。
■試験時間は、試験開始から120分で自動的に終了となります。
■12:50過ぎより、【受験する】画面にアクセスすると受験可能な試験が表示されます。
※試験のお申込みが完了している方のみ表示されます。
■合格発表:
合否結果につきましては、2018年11月30日(金)
までにメールにてお送りさせていただきます。期日を過ぎても合否結果メールが届かない場合は、JDLA試験事務局までお問合せ下さい。
◆ご注意事項
・試験を開始すると、試験を止めることが出来ません。
・試験当日までに、ログイン画面にあります【試験前までにクリック】をお試しいただき、オンライン試験を受けられることを確認頂くことをお勧めします。
・試験を開始すると、試験を止めることができません。
時間に余裕をもってご受験ください。
・試験当日は、お問合せ等によりJDLA試験事務局、JDLA事務局への電話が繋がりづらくなる可能性があります。お問合せは、
なるべくメールにてお願い致します。
・受験するときの推奨環境は以下の通りです。
①Windows、MacOSのPC環境でご利用ください。
②ブラウザのバージョンを確認してください。
Google Chrome 29以降
Mozilla Firefox 23以降
Safari 5.X、6.X、7.X
Microsoft Internet Explorer 8.X, 9.X, 10.X, 11.X
③ 画面解像度:1024×758以上
④ 接続回線 :1Mbps以上の安定した回線
⑤ その他 : 使用するブラウザにかかわらず、JavascriptとCookieを有効にしてください。
本試験はポップアップウィンドウにて行われます。 ポップアップブロックを設定している場合は解除してください。
※詳しくは、My Pageログイン画面の「JDLA G検定受験サイト操作マニュアルはこちら」よりご参照ください。
◆よくあるご質問
・「パスワードを忘れた」、「パスワードを間違えてロックされた」
⇒ログイン画面にて「パスワードをお忘れですか?」にて、パスワードのリセットができます。
事前にログインできることをご確認することをお勧めいたします。
・「試験が開始できない」、「受験可能な試験が表示されない」
⇒受験可能な試験は、12:50から表示されます。
時間が過ぎても表示されない場合は、ブラウザのリロードを行ってください。
・「途中で回線が切れた」
⇒一旦、ブラウザを閉じ(リセット)回線状況を確認(インターネットに接続できるか)してください。再度ログインして受験を続けてください。※試験終了ボタン押下で終了してなければ、続きから試験継続可能です。
・「時間切れで試験が終了したが、それまでの回答は大丈夫か?」
⇒時間切れで試験が強制終了した場合、それまでに回答いただいた内容は、試験に反映されます。
一般的に慣れない形式での受験となるため、注意事項はよく確認しておこう。
特に、受験環境が安定していないとせっかく勉強しても落ち着いて試験を受けられないので、必ず試験日より前に確認しておこう。
なお、カフェ等でも受験することは可能だが、トラブルが起こると高い受験料が無駄になるので、自宅で受験することをオススメする。
なお、めでたく試験に合格すると下記のメールが来る。
この度は、2018年11月24日開催のJDLA Deep Learning for GENERAL 2018#2を受験頂き、ありがとうございました。
【受験結果】JDLA Deep Learning for GENERAL 2018#2 抜粋
下記の通り受験結果をお知らせ致します。
【 合 格 】
総受験者数 2,680名
合格者数 1,740名
※得点および合格ラインは開示しておりません。
あらかじめご承知おきください。
■合格証の作成に伴い合格証に表記されるお名前は、
本メールの冒頭宛先で表記されて
いるお名前で作成されます。お名前に訂正が必要な場合は、
以下の要領にてメールを
JDLA試験事務局[ jdla@jtp.co.jp ]宛てに送信ください。
□タイトル:【合格証氏名の訂正依頼】
□期 限:2018年12月9日(日)00:
00のメールタイムスタンプまで
□氏名変更:〇〇〇 〇〇(姓と名の間は全角空白をお入れください。)
■合格証の発行につきましては、
2018年12月29日までに順次PDF型式にて送信させていた
だきます。
※期日までに、合格証が届かない場合は、
JDLA試験事務局までお問い合わせください。
ちなみに合格証については紙面でなく、PDFでの発行となる。
この度は、JDLA Deep Learning for GENERAL 2018#2 検定
【合格証】JDLA Deep Learning for GENERAL 2018#2 抜粋
合格おめでとうございます。
■【合格証】を発行致します。
パスワードは、別メールにて送付いたします。
ご不明な点がございましたら、何なりとお申し付けください。
また、合格者のみが参加できるSlackのコミュニティへの招待も送られてくる。
JDLA Deep Learning for GENERAL 2018#2
【JDLA】G検定2018#2 合格者の皆様へ 抜粋
合格者の皆様へ
日本ディープラーニング協会でございます。
この度はG検定合格、誠におめでとうございます。
弊協会では、G検定/E資格に合格された方々の
交流と情報交換のコミュニティ(Slack)
を運営しております。
合格者の皆様には、受験申込時にご登録いただいた
本メールと同じメールアドレス宛に
Slackのご招待をお送り致しますので、
ぜひご参加いただけますと幸いです。
試験対策って何したら良いの?
試験対策は、
ただ一冊の本を買えばOK
である。
公式テキスト
公式サイトには色々と「推薦図書」が紹介されているが、G検定に合格することのみを目的とするのであれば、この公式テキストを1冊購入し、読み切るだけで十分に合格する水準に達することができる。
各章に練習問題が付いているので、理解を確認しながら読み進めることが可能だ。
120分226問って多くない?
事前に時間に対して問題数多いなと思っていたが、実際に試験を受験してみて本当に多いと思ったし、受験後は結構疲れた。
公式テキストをしっかり読み込んでいれば「最後まで解ききれない」という事態には陥ることはないものの、「十分に余裕を持って試験を終える」というのはなかなか難しいだろう。
何問か「テキストに載ってねーじゃん!」という問題もあったが、合格できるかどうかに致命的に影響するほどの割合はないのでそこは安心してほしい。
ただ、そういう「知らない問題」も出てくる中で120分で226問を解くことになるので、時間配分には十分に気をつけてほしい。
なお、「自宅受験ならカンニング出来るじゃん!」と思った奴もいるかもしれないが、この問題数を見ればテキストをめくって調べている時間なんてないことには簡単に気づくことが出来るだろう。
合格とその後
資格の使い道
そもそもの目的が資格が欲しいとか資格を使ってどうこうしようとかではなく、完全にAIやディープラーニングに関して効率的・効果的な学習を目的として受験したため、よく考えたら未だに殆どの人に合格したことどころか受験したことすら伝えていない。
意義のある勉強ではあるが、所詮20時間とかのほんの少しの時間を使って少しの知識を得る程度なので、この資格をもって何か就職・転職や職場での評価に結びつけるのは難しいと思われる。
そういう意味では、直接的な使い道というのはあまりない資格だと思う。
更なる勉強のベース
試験を通じてリテラシーを身につけることにより、AI・ディープラーニングに関する話題が出た時とか、それらに関する記事を目にした時に自分に入ってくる情報量が大きく変わるし、それらの情報が目に入りやすくなる。
次の時代を生きる上で、注目されている技術に関する情報の入手量や感度が高まることは非常に大きな武器になることだろう。
受験料は高いが、短時間で意義のある勉強ができたと考えている。
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