おすすめの電卓は?日商簿記検定・公認会計士試験・税理士試験に最適な電卓はどれか?

後輩

簿記受けるんで電卓買わなきゃなって思うんスけど、どれがいいんスかね?

日商簿記検定・公認会計士試験・税理士試験の受験を目指す場合、まずは電卓の購入が必要になる。

ただ、試験ではどんな電卓でも使えるというわけではないので、購入する際には注意が必要だ。

また、会計を志す人の電卓との付き合いは、受験時に始まり就職後の実務においても続いていく。最初に選んだ電卓のクセを引きずることになるため、最初の電卓のセレクトはかなり重要な問題でもある。

目次

受験用電卓として最低限満たすべき条件

まず、日商簿記検定・公認会計士試験・税理士試験に使う電卓として、少なくとも下記の条件を満たしていなければ、その電卓は購入すべきではないということになる。

受験用電卓として最低限満たすべき条件

①受験に使用できる電卓の要件を満たすこと
②必要な機能があること

①受験に使用できる電卓の条件を満たすこと

①については各試験について下記のように定められている。もちろん受験申込時には自分の目で最新の状況について確認してほしい

日本商工会議所 簿記検定試験

計算器具(そろばん、電卓)を使用しても構いません。ただし、電卓は、計算機能(四則演算)のみのものに限り、例えば、以下の機能があるものは持ち込みできません。・印刷(出力)機能・メロディー(音の出る)機能・プログラム機能(例:関数電卓等の多機能な電卓、売価計算・原価計算等の公式の記憶機能がある電卓)・辞書機能(文字入力を含む)(注)ただし、次のような機能は、プログラム機能に該当しないものとして、試験会場での使用を可とします。日数計算、時間計算、換算、税計算、検算 (音の出ないものに限る)

商工会議所の検定試験>簿記>3級>試験科目・注意事項

公認会計士試験

電卓は、以下1~6の基準の全てを満たすものに限ります。当該基準に適合するかどうかは試験官が試験場において判定し、適合しないと判定したものについては、使用を禁止します。なお、いかなる場合でも、電卓は貸与しません。
1 電源内蔵式で、音 ( 音階、音声等 ) を発しないもの
2 数値を表示する部分がおおむね水平であるもの
3 外形寸法がおおむね縦 20cm ×横 20cm× 高さ 5cm を超えないもの
4 ケースやカバーが付いていないもの(ケースやカバーは取り外すこと)
5 計算機能以外の機能を有しないもの
6 以下ア~エに掲げる機能を有しないもの
ア プログラム入力・記憶機能
イ 関数電卓機能
ウ 紙に記録する機能
エ 漢字・カナ・英字入力機能
(※記載量が多いので一部省略)

平成31年公認会計士試験受験案内

税理士試験

(答) 計算機は、次の4つの条件の全てに該当する場合にのみ使用が認められます。
・乾電池や、太陽電池で作動する電源内蔵式のものであること。試験場では、コンセントは使用できません。
・演算機能のみを有するものであること。紙に記録する機能、音が出る機能、計算過程を遡って確認できる機能、プログラムの入力機能があるものは、その機能の使用のみならず、計算機全体が使用できません。(消費税の税込み、税抜き機能のみを有する電卓は使用可)※「計算過程を遡って確認できる機能」とは、例えば、本人が入力した計算式や計算過程を記憶し、遡って画面上で計算式や計算過程を確認できる機能をいい、計算結果(答)のみを確認する機能(アンサーチェック(検算)機能(1回前の計算結果と答えを自動的に照合できる機能))はこれに該当しません。
・数値を表示する部分がおおむね水平であるもの。表示窓が極端に横に倒れるものなどは使用できません。
・外形寸法がおおむね26センチメ-トル×18センチメ-トルを超えないものであること。つまり、おおむねB5判の紙からはみ出ない大きさの計算機を使用してください。

国税庁>試験に使用できる文房具・計算機について

ここで悩ましいのが、黄色マーカー部分の「数字を表示する部分的がおおむね水平であるもの」という文言だ。これは他の規定と違って明確ではない上に、電卓の購入を検討すると気づくことであるが、どの電卓も数字を表示する部分はおおむね水平っぽくみえるけど、微妙に水平ではないのだ。

1年間みっちり勉強して臨んだ試験会場で、「この電卓は規定に合わないから」と電卓を没収されたらたまったものではない。もちろん、没収されたというような話は聞いたこともないので、まずその心配は無いと思うが、もしかしたらと思うだけでストレスだ。

とは言えこういう微妙な要件を満たしているかを確認する術もないので、

みんなが使っている電卓を使う

ことがオススメである。

会計系の試験では定番の電卓があり、半数以上の人はそれを使っている。さすがにそれを使っていて没収されることはないだろう。

②必要な機能があること

日商簿記3級・2級では必要ないが、それ以上であれば√(ルート)のボタンやメモリ機能は必要で、表示される桁数も12桁は必要になる。

これについても、定番の電卓を使うことで解決できる。要は、

「会計系の試験で購入すべき電卓に迷ったら、定番の電卓を買えば良い

ということだ。

結論

みんなが使っている電卓を使うのがベスト

定番の電卓

CASIOか、SHARPか。

まず、定番の電卓は2種類あって、メーカーはCASIOとSHARPと異なる。

メーカーなんてなんでも良いじゃんと思うかもしれないが、これが案外大きな違いがあって、何が違うかと言うと、ボタンの位置が違うのだ。特に0と00、CとACボタンの位置の違いが大きく、どちらかに慣れるともう片方には違和感しかない。

つまり、ここで選択した方のメーカーと一生付き合うことになると言っても過言ではない。筆者はCASIO派だが、SHARP製電卓を渡されるとまともに打つことすらできない。

ではどちらが良いかと言うと、結論どちらを選んでも有利・不利はないので、好きな方を選ぶと良いだろう。

公認会計士試験の合格者が働く監査法人に7年くらい在籍していたが、現場で見かけた電卓も概ね半々といったところだった。

CASIO AZ-26S/ND-26S

かつて筆者はND-26Sを使っていた。大原で会計を学んだ人はこれを使っている率が高い。AZ-26SとND-26Sは型番は違うが同じもののようだ。

この電卓について、筆者が思うメリットは下記の通りだ。

  • 丈夫で壊れにくい
  • キータッチが静か
  • 使っている人が多いので安心

公認会計士試験を目指し始めたのが2010年なので、この電卓を購入したのはもう10年くらい前だが、まだ電池交換をせずに使うことができる。

また、安物の電卓だとカチャカチャとキータッチがうるさいのだが、この電卓は強めにタッチしてもあまり音が出ない設計になっているので静かな自習室でも安心だ。

更に、試験が近づいてくると自分の電卓が使用できる電卓の要件を満たしているかが不安になってくるが、みんなが使っている機種であるのであれば没収されることはないので、安心して試験に臨める。

SHARP EL-G37

シャープ派の人達はほぼこの電卓を使っていた。

筆者は使ったことがないので感想を述べることはできないが、少なくとも使っている人が多いので安心という点は共通するだろう。

個人的におすすめの電卓

CASIO S-100

そして、筆者は今この電卓を使っている。

この電卓は、実務家には断トツで良い。

この電卓のメリットは下記の通りだ。

  • 画面が鮮明
  • 安定性(重量感・キータッチ)
  • 本体が薄くてボタンの幅が広い
  • 使用感はAZ-26S/ND-26Sに近いので移行しやすかった

この電卓はちょっと高いので、受験が終わって会計が本業になってから購入でも良いだろう。

ただ、この電卓のスタイリッシュさに慣れてしまうと、もう他の電卓を使えなくなるくらい他の電卓がもっさりしているように感じられるくらい素敵な逸品だ。

まとめ

結論としてはみんなが使っている定番の電卓を使うことが無難であり、メーカーはどちらでも良いが、今後ずっとそのメーカーの製品を使うことになる可能性が高いということだ。

どれも家電量販店で売っているような電卓に較べると少し高いが、途中で電卓を変えると手が慣れるまで時間がかかるし、どうせこれらの電卓に行き着くなら初めからこれらの電卓を選んでしまったほうが効率的であろう。

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