作曲したいけど音楽理論知らない問題
誰しもが1度くらいは作曲をしたいと思ったことがあるだろう。
しかし、初心者がいざ作曲をしてみようと調べてみると、簡単な解説ですら最初から何もわからずに挫折するというのが一般的なのではないだろうか。
日本の義務教育過程において音楽の授業はあるが、修了しても残念ながら音楽理論がわかる人はほとんどいない。英語を話せない教師に英語を教えられたりするプアなレベルが義務教育の水準なので、そこを悔やんでも仕方がない。
趣味や部活などで楽器に触れたことのある人を除いては、音楽との接点は娯楽として視聴することとカラオケで歌うことくらいだろう。
そのレベルから本を読んでも時間ばかりかかるし、大人になってから教室に通うのも進捗速度・時間捻出的にキツいのが本音だ。
もし、音楽理論を調べることに時間を掛けずに理論に従ったアウトプットができて、さらに音楽を作りながら音楽理論を学べる魔法のような機材があったら良いのになと思うところだが、実は世の中にはそういうものが存在するのだ。
それは、Native Instrumets社のKOMPLETE KONTROLである。
筆者は執筆時点で最も高性能なMK2を利用している。
価格の差は鍵盤数の差で、49鍵・61鍵・88鍵の3種類が存在する。
筆者は49鍵を利用しているが、そうした理由は以下の通りである。
- 部屋の大きさに合わせたサイズであるため
- 両手で自由に鍵盤を演奏する能力が無く最小限で良いため
- OCTAVEボタンを使えば音域を広げることができるため
なお、MK2は筐体に画面が付いており、そこで設定の確認をすることで作業を高速化することができるのでオススメだ。
スケールを覚えなくても解決
KOMPLETE KONTROLの最もスゴいところは、スケール機能にある。
以下の画像のように、スケールの構成音をLEDランプで示してくれる。
まずは、なぜその機能がスゴいのかについて解説する。
音楽は1オクターブを12個等分にして、その中から一定の選ばれた音だけを使って曲を作ると言うルールがあり、選ばれた音のセットをスケールと呼ぶ。
スケールは、明るい音楽に聞こえるメジャースケールと暗い音楽に聞こえるマイナースケールに大別される。ただし、それらも細分化され、色々なパターンがある。検索してみればわかるが、膨大すぎてすぐに心が折れることだろう。
そして、音楽のプロはそういった理論に精通しており、それぞれのスケールの構成音を覚えているし、その場で弾ける。
初心者の我々が、こんなものを覚えるのに時間を使っていたら作曲にたどり着く日はいつ来ることだろうか。
そのプロと我々の差を埋めてくれるのがスケール機能なのである。
まずはROOT NOTE、つまり曲のキーを選択する。
次にSCALE BANK、つまりスケールの種類を選択する。
続いてTYPE、つまりスケールの種類の詳細を選択する。
Key Mode、つまりアシストの方法を選択する。
公式サイトのマニュアルがアップデートされていないので定かではないが、それぞれの意味は以下の通りであると思われる。
Guide | LEDランプはスケール音のみを示すが、それ以外の音を弾いても鳴る |
Mapped | スケールから外れた音を弾くと近くのスケール音が鳴る |
Easy | スケールから外れた音を弾くと音が出ない |
Learn | スケールから外れた音を弾くとハズレ音が出る |
いずれにせよ、スケールを全く覚えていなくてもスケールに沿った音を間違いなく演奏できるという点は初心者にとってとんでもなくありがたい機能だ。
誤解を恐れずに言えば、初心者でもLEDが光ってるところだけを押して気持ち良い並びを見つければ曲になるので、ゼロから作曲を始めたいという人にとってはとても強力なサポートツールとなるだろう。
また、スケールを間違えないで済むだけではなく、正しいスケールの表示を見続けることにより、それが自然と頭の中に入ってくる学習効果もある点がさらに素晴らしいと言える。
これを例えば書籍ベースで独学で学ぶ場合は、「このスケールならココは弾かなくて・・・」なんて学習が想定され、挙句の果てには1音間違えて記憶してしまっていたことに随分後に気づいたなど間抜けなミスも起こりかねない。
KOMPLETE KONTROLは少し値が張るものの、長期的にはコストを圧倒的に下げるマシンであるので、是非導入を検討してみてほしい。
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