HIPHOPといえばサンプリング、つまり既存の曲の一部を抜き出してループにするという作曲方法が特徴である。
AKAIのMPC(Music Production Center)のようなハードウェアサンプラーを利用してサンプリングを行う伝統的な方法以外にも、最近はserato sampleのようなソフトウェア・サンプラーを利用してPCの中だけで完結させる方法も主流になってきている。
今回は、サンプリングって何?どうやってやるの?という超基礎的なところから解説を行う。
伝統的なサンプリングの流れ
サンプリングは大まかに以下のような流れで行う。
なお、今回は伝統的なハードウェアサンプラーであるMPCを例に説明する。
MPC Oneでサンプリングしてみよう
まずは、サンプラーに外部音源からサンプリングしたい楽曲を録音する。
- サンプリングってターンテーブルとレコードがないとできないの・・・?
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外部音源はiPhoneやiPadなどでも良く、MP3などの音声データからもサンプリングできる。
そのため、部屋中レコードだらけにしなくても大丈夫だ。
サンプリングしたい楽曲をバラバラに分解(チョップ)して、サンプルをパッド(MPCなら16個)にアサインする。
- チョップってどうやってやるの・・・?
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手動でよい感じのところを切り取る方法はもちろん、Threshold(音の大きさ)・Regions(一定の間隔)・BPM(テンポ)などに合わせて自動で処理する方法もあるので、簡単にできる。
パッドを叩いてサンプルを鳴らし、入れ替え(フリップ)をして気持ちの良い構成を考える。
- Youtubeでパッドを高速で叩いて演奏をしている映像を見たけど、アレができないといけないの・・・?
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アレはサンプラーを使っているものの、フィンガードラムという別ジャンルなので、必ずしもできるようになる必要はない。
しかし、フィンガードラムができれば打ち込みのスキルが上達するので、両立することもオススメだ。
オンラインスクールもありますし、Youtube動画が公開されていたり以下のような教則本も販売されているので独学も可能である。
当該構成が固まったらRECボタンを押してから演奏して録音する。
これで、元々の曲の良さを活かしつつ、自分のオリジナルの構成が完成した。
この後にドラムやベースなどを足したりして曲にしてゆく。
PCだけでもサンプリングできる
最近はMPCのようなハードウェアサンプラーを利用せず、ソフトウェアサンプラーを利用する人も多い。
ソフトウェアサンプラーはPCにインストールして利用するので、ハードウェアはPCだけ用意すれば良い。
PCで作曲(ビートメイク)するためには最低限DAW(Digital Audio Workstation)と呼ばれるソフトウェアが必要となるが、DAWにも色々な種類があり、どれが良いわけでもないが、筆者は以下の理由によりまずはFL STUDIOを導入した。
- 価格が安い
- アップデートも永久無料
- 1ライセンスでWindows・Mac両対応
グレードも様々だが、機能制限のないSignatureが無難だ。
DAWが用意できた前提で、最もポピュラーなソフトウェアサンプラーであるserato Sampleを例に解説する。
serato Sampleを使ってみよう!
serato Sampleは、プラグインと呼ばれるソフトウェアで、DAWで読み込んで利用する。
MP3などの音声データを読み込めば、以下のように波形が表示され、サンプリング、チョップ、フリップを行うことができる。
つまり、ダウンロード購入した音声データなどをそのまま利用できるので、音源を用意する手間を大幅に省くことができる。
また、サンプルをそのままDAWに流し込んで編集できるので、筆者はハードウェアサンプラーよりもソフトウェアサンプラーのほうが圧倒的に使いやすく感じる。
一方でスタンドアロンのMPCを持ち歩いてインスピレーションが湧いてくるような人もいるので、ハード・ソフトのどちらが正解とも言えないので、色々と試してみてほしい。
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