本稿は楽器経験のない筆者が理論側からアプローチしてビートメイカーになるまでの備忘メモシリーズである。
当該メモは筆者が気に入ったコード進行をベースとしてChatGPTの補助を受けながらビートを作成し、ビートメイクレッスンでの指摘をもとにレベルアップに必要な要素をまとめたものである。
音楽になじみのない人が音楽を作れるようになるまでの過程を垣間見ることで、同じ状況の人の参考になることに資すると考えて公開するものであり、正確性を保証するものではない。
使用機材・ソフトウェア
とりあえずビートを作るために一般的にどういう楽器のパートがあって、それぞれどんな感じに入力して・・・というところはまで来て、コードとドラムとベースとメロディと・・・と足していくと、なんかめっちゃダサくなる。
スーパーで流れてるBGMのようなチープな音色のメロディ、ギトギトに打ち込まれていてうるさいドラム、なんか浮いてるサンプル・・・あぁもう作るの辞めたい!!
これは筆者だけでなく、典型的な失敗例のようで、
- カウンターメロディなど必要な要素が足りてない
- 音を乗せすぎ
というところが主な原因のようだ。
その点を反映した短いビートの動画を以下に添付した。
カウンターメロディ(対旋律)
メロディを補助するサブの旋律を挿入することでチープさが緩和される。
基本的にはコードの構成音ないしスケールの構成音を使用する。
メロディに対してカウンターメロディがどのように動きうるかという点に関しては、Contrapuntal motionにより理解できる。
- Parallel motion:同じ間隔を保ったまま同じ方向に進む動き
- Similar motion:同じ方向の動きだが、その間隔が変化する動き
- Contrary motion:反対方向の動き
- Oblique motion:一方は同じピッチを保っている動き
コードの構成は音を縦に見ていたが、メロディは横向きに捉えて線で方向を考えていく。
そして、例えばこの部分はパラレルで、その後は逆向きで、盛り上げたい部分でピッチが同揃う(=勢いが出る)などの動きを作る。
添付の動画においては、コードを入力したTrack1の最高音をメロディと捉え、Track2のカウンターメロディを以下のように置いている。
線については耳コピ作業などでだんだん見えてくるという。
和音にしてみたり、輪唱のように遅れて発音するなども効果的である。
コードの音源を増やす
同じ内容のコードについて、別の音色で重ねるとリッチになる。
音選びは地味だけど時間をかけるべきで、通常はサンプル音では想像がつかないので、楽器を入れ替えてtrackを鳴らしてハマってるか確認する。
添付の動画の場合、Track1とpadが同じコードであるが、track1はKOMPLETE KONTROLのTHE GIANTでpadは同じくKOMPLETE KONTROLのHYBRID KEYSを重ねている。
コードをコピーする際には、チャンネルラックのコードが入ったパートを選び、コピーを押す。
貼り付けたいパートを選び、ペーストをする。
これで完了だ。
各パートを順番に目立たせる
音の構成を考える際には基本的に引き算の発想で検討すべきだが、初心者はどうも音を入れすぎてしまい、バンドのメンバーが全員同時に出てきてしまうようなものでガチャガチャして聞きづらいものになってしまう。
各パートの音を被せないほうが上手く行くことが多い。
ベースとコードが暇なときにメロディが動くとか、ベースが動いているときはメロディが動かないとか、今誰にスポットライトが当たっているのかを意識する。
- コードが切り替わる瞬間は大きな変化が来るので、その瞬間にはあまり打ち込むべきではない
- サンプル音源を利用する場合も、コードが動いていないときに動くように調整すべき
- ドラムも目立たせるときは他を静かに
- キックと808は一緒に打つ
- 音を重ねる場合も、長さやタイミングをバラバラにすることで深みが出る
曲の流れを考える
作曲する際にはフックから作って、イントロはそれを暗示することで聴き手にどんな世界なのだろうかと想像させる。
例えば添付の動画ではフックとイントロでメロディがほぼ同じだが、フックのほうが盛り上がるようにイントロのほうが単純化してある。
なお、その際はそのままピアノロールをいじってしまうとすべてに反映されて変わってしまうので、メイクユニーク機能を使う。
トラックの鍵盤マークを押すと、Make uniqueが表示されるので、クリック。
これにより、独立したピアノロールが作成された。
カラーを割り当てて、ユニークであることを明示しておこう。
また、イントロのコードの一部をミュートすることでコードも単純化している。
ミュートはスピーカー×マークをクリックすると設定することが出来る。
なお、最も盛り上がるところはメロディが高音に進むところであり、高音部分は後半に持って行った方が聞き手の飽きがこないので、フックでtrack2が高音に向かうように設定している。
Youtubeなどで作り方を学ぶ
最近の曲であれば、Youtubeなどの動画サイトでHow to make ***で検索するとヒットすることが多いので、参考になることが多い。
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