freee会社設立で簡単に株式会社を作ってみよう!

この記事の目的
freee会社設立を利用して株式会社を設立するまでの実際の手続の流れを共有する。

仕掛中

この度、当サイト「すごいライフハック」を法人事業として運営するため、会社設立を行うこととなった。

freee会社設立は、Web上で指示に従って入力を行ってゆくだけで会社設立の準備がほとんど終わってしまう便利なサービスである。

目次

設立コスト

費用はいくらかかったの?

あくまでも「設立」までの費用であるが、以下の通りであった。

項目金額
 印鑑購入費用3,740円
 電子定款作成費用5,000円
 定款認証41,900円
 収入印紙150,000円
合計200,640

別途freeeに支払う手数料はなく、とてもリーズナブルに株式会社の設立を行うことができた。

どれくらい時間がかかったの?

筆者がfreee会社設立に登録したのが2021年12月17日で、登記申請が完了したのが2022年1月14日であるので、約1か月で手続を終えることができた(法務局側の手続が完了したのは2022年1月28日で、設立日は2022年1月28日)が、実際もっと早く終えることが可能である。

筆者は設立を特に急いでいたわけではなく、じっくり考えながら手続を行い、さらに電子定款の作成について行政書士が年末年始不稼働だったために少し遅れたという経緯がある。

筆者の一人会社の設立について、以下、freee会社設立の入力フォームの入力・設立・始動の項目に合わせて記述する。

入力

freee会社設立に登録したら、まずは必要情報の入力を行う。

法人形態/商号等

商号、つまり会社の名前が一番悩むところであり、筆者の設立手続がなかなか進まなかった理由の一つでもある。

法人形態については、株式会社か合同会社のいずれかを選択する。

合同会社は聞きなれない人も多いかもしれないが、定款認証が不要・登録免許税が安い・役員の任期がないため重任登記にかかる登録免許税が不要、決算公告不要などと、コスト面で有利なことが多い。

株式会社と違って上場できないが、筆者のような小さな個人事業を法人化するというようなケースでは合同会社のほうが経済効率的であろう。

しかし、筆者は株式会社を選択した。

理由としては、株式会社の信用度の高さだ。インターネットのドメイン名と同じで、”.com ” のほうが “.tokyo” などよりも信用度が高い。

たったそれだけのことだが、筆者はそこを重視することにした。

また、法人名称位置については前株・後株を選ぶことができる。

これは完全にセンスの問題だが、会社名を読み上げるときに商号が先に来たほうが覚えてもらいやすいだろうと思い、後株を選択した。

法人の住所

オフィスを賃借していなければ、バーチャルオフィスか自宅を選択することとなる。

個人事業の延長で設立する場合は当初からオフィスの賃借という選択肢はあまり考えられないだろう。

自宅を選択すれば家賃や水光熱費を経費にすることができる一方、賃貸でしばしば引っ越しする可能性があると面倒だし、自宅を知られてしまうことに抵抗がある場合は適していない。

その場合はバーチャルオフィスを使えば低価格で一等地(例えば表参道や六本木など)を本店の所在地とすることもできる。

一方で所在地を調べてバーチャルオフィスであることを確認して警戒する人も少なくないので、そういう面の短所がある。

連絡先

連絡の取りやすい電話番号を設定する。登記後でも手続不要で変更可能だ。

役員

役員と出資の額を入力する。

筆者の場合は筆者のみの一人会社(いちにんがいしゃ)、資本金は1,000,000円とした。

当該金額にした理由は、事業に必要な資金は基本的に100万円で十分であると考えており、多少超過するのであれば筆者から会社に貸付を行えば足りると判断したからである。

取締役会の設置、取締役の任期

取締役が3名以上存在する場合は取締役会を設置することができるが、一人会社であるため取締役会非設置会社である。

なお、取締役はずっと筆者であるので、任期は10年にした。

この項目について2年から10年まで選択することができるが、役員の重任登記には登録免許税がかかるので、取締役の変更を考えていないのであれば、最長の10年としておくべきだろう。

事業の目的

事業の目的を自分でスクラッチで記載することもできるが、煩雑だし雑な記載になる可能性があるので、できるだけfreeeが用意した司法書士チェック済みの定型文を利用しよう。

業種を選択すると、一般的な事業目的を選択することができるので、イメージに近いものを選択すれば良い。

なお、許認可や届出が必要となる事業においてはマストな文言が存在する可能性があるので、より慎重な入力が求められる。

決算期

繁忙期を避けたり、暦年に合わせたり、法律改正のタイミングに合わせたりと色々な決め方があるが、筆者は個人事業の延長として設立したものであり、個人の所得税の計算期間と合わせることが計算・手続上効率的であると考えたため、12月決算とした。

公告の方法

公告の方法は以下から選択することができる。

freee電子公告3,980円/年(税抜)
電子公告人による
官報に掲載74,330円~/年(税込)

筆者はWebサイトを運営する事業を行っているため、追加コストをかけずに電子公告を行うことができるので、電子公告を選択した。

なお、最近の会社はWebサイトは作るだろうし、その場合は一緒に掲載してしまえば足りるので、そういった作業がそれほど面倒だと思わないのであれば、あえてfreee電子公告を契約する必要はないだろう。

法人の印鑑

柘(あかね)と黒水牛から選択可能で、何もこだわりがないので相対的に低額(3,780円)の柘を選択した。

設立

定款の作成方法

紙定款だと印紙代が40,000円もかかるので、印紙代が0円で済む電子定款を選択しない理由はない

なお、freee会計の契約を行わなかったので、作成代行手数料の5,000円を支払った。

公証役場の決定

定款の認証を行う公証役場を事前に決定する必要がある。

筆者は最も近所の渋谷公証役場を選択した。

定款の内容確認

入力ステップで入力した内容に基づいて定款の草稿が自動でジェネレートされているので内容を確認することができる。

と言っても、特に確認するようなことはない。

電子定款作成依頼

以下の3点をアップロードし、申し込みフォームへの入力・作成手数料の送金を行う。

  • 自動でジェネレートされた定款の草稿
  • 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
  • 顔写真付き身分証明書

その後、割り当てられた行政書士法人が電子定款の作成を行い、完了後に連絡が来る。

たまたま同時期に同じ方法で会社設立を行なっていた友人がいたが、行政書士法人の品質によりその後のフォローにかなり差があった。

残念なことに委託先の行政書士法人をこちらから選択することはできないので、運次第となる。

公証役場で定款認証を行う

選定した公証役場に電話で予約を取り、往訪する。

必要な持ち物は以下の通り。

  • 専門家の電子署名済み定款
  • 委任状
  • 現金約52,000円(定款認証代金)
  • 公証役場に行く人の本人確認書類
  • 新しいCD-R(定款の電子データの受け取り用)
  • 発起人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
  • 発起人の個人実印(当日の修正がある場合に必要)

定款は委任状と併せて製本する。具体的な方法はfreeeで参照できる。

定款も後述する設立登記書類も製本テープを利用した製本の方がラクなので、そちらをオススメする。

委任状も自動でジェネレートされるので押印するだけだ。

CD-Rというのが曲者で、量販店で購入しようとすると1枚単位で売っていなかったりするので、事前に100均などで入手しておくと良い。

この時代に何故CD-Rが必要なんだという怒りが込み上げるが、公証役場でその話をしたところUSBメモリでも良かったらしいので、公証役場に予約の連絡をする際にはその点も確認すると良いだろう。

筆者の場合は30分くらいで手続きは完了した。

当該手続きにより、以下の書類を入手することができる。

  • 申告受理及び認証証明書
  • 定款の謄本

申告受理及び認証証明書は電子定款を認証したことの証明であるので、保管しておくのみだ。

定款の謄本は法務局での設立登記や税務署での法人設立届出などに利用する。予備を含めて2部入手した。

費用は52,000円との記載があったが、筆者は41,900円であった。

資本金の入金

不幸なことに銀行のトランザクション履歴を提出しなければならないという不効率な制度が踏襲されており、銀行口座に資本金を充足するに十分な残高があったとしても、資本金額の移動を行なって、そのログを提出しなければならない

なお、入金後2週間以内に登記書類を法務局に提出する必要がある。

入金証明のコピー

法務局で登記申請する際に以下の情報が明示されたコピーが必要となる。

  • 振込の入出金額や振込人と日付
  • 口座名義
  • 銀行名や支店
  • 口座番号

筆者はネットバンクで送金を行ったので、画面コピーを印刷した。

登記書類の印刷

続いて、法務局に提出が必要な資料を印刷する。

これらも自動でジェネレートされるので特に何かの書類を作成する必要はない。

  • 登記申請書
  • 登録免許税納付用台紙
  • 就任承諾書
  • 発起人決議書
  • 払込を証する書面
  • OCR用紙
  • 印鑑(改印)届書

これらを併せて製本する。具体的な方法はfreeeで参照できる。入金証明のコピーを綴じるのを忘れないように注意しよう。

法務局に申請書類を提出する

法務局は事前予約不要で、手続きは30分くらいで完了した。

当日の持ち物リストは以下の通り。

  • 定款の謄本
  • 印鑑証明書
  • 登記書類(入金証明のコピーを含めて綴じる)
  • 登録免許税(15万円)
  • 法人印と発起人の実印(修正や押印漏れがある場合に必要)

まず登録免許税を支払うための収入印紙を購入し、その後、窓口に書類を提出する。

書類について窓口でざっとは確認してくれるが、その場で詳細な確認はしてもらえないので不備のないように自発的な努力が必要だ。

仮に不備があった場合は後日連絡が来て、不備がなければそのまま設立が完了する。

設立が完了したかどうかについては連絡が来ないので、以下のサイトで確認するなどの必要がある。

なお、設立日は申請日であり、手続きが完了した日ではないことに注意が必要だ。

始動

法務局で必要書類入手

登記が完了したら、以下の書類を法務局に持参する。

  • 登記事項証明書交付申請書
  • 印鑑カード交付申請書
  • 印鑑証明書交付申請書

これで、以下の書類を入手することができる。

  • 履歴事項全部証明書
  • 法務局印鑑カード
  • 印鑑証明書

役員報酬の決定

筆者は役員は自分のみで従業員はゼロとしている。法人のキャッシュ=自分のキャッシュなので、給与を出すだけ社保料の支払対象となるのが面倒になるので、役員報酬はゼロとした。

回収の必要があれば配当や清算で対応する。

年金事務所

給与支払いをするのであれば、以下の書類の提出が必要となる。

これらは自ら記入する必要があるので多少面倒だ。

登記事項証明書は法務局で入手したものを持参する。

  • 健康保険・厚生年金保険新規適用届
  • 被保険者資格取得届
  • 被扶養者(異動)届
  • 登記事項証明書(原本)

なお、筆者の場合は役員報酬ゼロ、従業員雇用なしなので上記書類の提出は必要なかった(年金事務所における手続不要)。

税務署

以下の書類を税務署に提出する必要がある。

定款は公証役場で入手した謄本をコピーし、それ以外の書類は自動でジェネレートされるので、押印するのみだ。

  • 法人設立届出書
  • 青色申告の承認申請書
  • 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
  • 定款のコピー

都道府県税事務所

以下の書類を都道府県税事務所に提出する必要がある。

これらは自ら記入する必要があるので多少面倒だ。

  • 法人設立届出書
  • 定款のコピー
  • 登記事項証明書のコピー

法人設立届出書は都税事務所・支所提出用と市町村提出用があるが、23区内であれば前者のみの提出となる。

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