応用情報技術者試験に1ヶ月で合格する方法を共有すること
応用情報技術者試験の学習内容のボリュームは多く、内容についても初心者にとってははなかなか難しいけれど、以下の記事を読んで試験の構造を知ることで、1ヶ月で合格できる理由が理解できるだろう。
前からITの勉強してみたいと思ってたんだよね!
俺が教えるっスよ!この後メシでもどうっスか?
丸善寄って帰るんでお疲れー
狙ってんのあからさますぎたかな・・・
合格体験記
まずは筆者がどのような前提でどのように合格に至ったかを紹介する。
受験時の年齢:30代前半
勉強期間:1ヶ月前後
勉強時間:90時間前後
学習方法:独学(参考書購入)
前提知識:なし
受験の動機は、ようやく世間に飲まれてウチの会社でも自動化だのAIだの騒ぎ出したが、言っているだけで誰もわからないという「いつものパターン」だった。
ただ、流石に近年のテクノロジーの進歩が色々な業界や業務に与える影響を大きく感じるようになってきたので、リテラシーくらいは身につけて置かないとヤバそうだなと思ったためだ。
リテラシーだったらITパスポート試験でもいいじゃん、とか、基本情報技術者試験から受ければ良いじゃんというツッコミもあったが、書店でテキストをパラパラめくってみて、ちょっと頑張れば中間レベルくらいいけんじゃね?という感覚で応用情報技術者試験を受験することにした。
大学生時代の勉強もITに関係なく、社会人になってからもExcel・Wordくらいしか使わなかったので、「DNSサーバーってなんだ?」というくらいのレベルからのスタートだった。
応用情報技術者試験とは?
どんな試験?
経済産業省の国家資格で、「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」を対象者とした試験である。年間に2回実施(春期:4月、秋期:10月)に実施されており、午前の択一式、午後の記述式それぞれの得点が合格基準点を満たすことで合格となる。
試験レベルは3層に分かれており、下図の通り、基本情報技術者試験の上で、科目が分化する高度試験よりも下に位置する。つまり、
タイトルに「応用」とあるものの、「高度」より下の位置付けであり、「中間レベル」の試験に該当する。
また、受験資格はないので、誰でも受験可能だ。
どんな人が受けるの?
主催団体のIPAの統計情報によれば、有効な回答の中では「ソフトウェア業」、「情報処理・提供サービス業」の割合が高い。
合格率
概ね20%程度である。
上述のようにIT業界で働いている人の受験が多いので、筆者のように無関係・無知識からのスタートであれば、実際の合格率よりは厳しく感じるかもしれない。
ネットで難易度を調べると混乱する
応用情報技術者試験の難易度については凄まじい議論があるようだ。
個人ブログを見ると業界経験者で無勉強で合格しましたとか、学生ですが50時間で合格しましたとか書いてある一方で、yahoo知恵袋などのQ&Aサイトなどを見ると超難関試験で勉強時間は1000時間!と書いてあったりと、学習時間の目安に大きな差があるのだ。
一体何を信じてよいのやら。この点について、特にYahoo!知恵袋の資格試験情報は一切見ないほうが良い。
なぜなら、難易度を問う質問に関して、各資格について過去に取得した人が自分の取得した資格の難易度を釣り上げて評価し、他の資格を批判するような回答だらけで何も参考にならないからだ。
そして、どの資格もこういう意味のない議論が繰り広げられている。
ただ、何故か「情報技術者試験」については特に異常に難易度を高く主張する書き込みが多く、他の資格に対するバッシングも激しい。
こんなものに巻き込まれても気分を害するだけだし、合格に一歩たりとも近づくことはないので、一切関わらないほうが良い。
このブログではありのままの事実を書いているが、雑音が多すぎてこのブログも含めて信じられなる人もいるかもしれない。
そういう人はTACやiTEC等の有名資格予備校に学習計画を相談することをオススメする。
どうやって勉強するか
ITの知識ゼロでOK
メジャーな試験なので、市販の参考書のバリエーションも豊富で作り込みもしっかりしていている。
知識ゼロからでも十分に市販のテキストで合格レベルまで達することが可能だ。
筆者は最初に買ったテキストがどうも合わず、読み比べて取捨選択し、結局最後まで使ったテキストはコレだった。
「応用情報技術者 合格教本 」
これはかなりわかりやすく、かつ詳細に解説されているため、ITの勉強を全くしたことない人でも、しばしばググりながら読めば十分に理解できる。
ただ、ボリュームが凄いのでイチから読み進めてしまうと最後までたどり着くには物凄く時間がかかるので、辞書的に使用することをオススメする。
順番通りに勉強しない
意外とここがポイントだったりする。
この試験で挫折する人の殆どは、テキストをめくって初っ端の「基礎理論」でリタイアしている。
数学チックだし抽象概念ばっかりなので、「うわぁ〜、やっぱ俺には無理だ・・・」となりがちである。
ただ、学習内容がずっとこの調子かと言うと全然そうではない。
基礎理論以降の章は誰にでもわかるような話が多いので、もし基礎理論が苦手だったら、一回飛ばそう。
例えばストラテジ系なんて、文系大学生1年生でも知っているレベルの基礎的な話ばっかりだし、マネジメント系も難しい概念はないのでとっつきやすい。
テクノロジ系が初学者には理解し難く、中でも基礎理論が最も難儀なのだ。どの順序で学んでも支障はないので、早速挫折しそうな人はストラテジ系から勉強して自信を付けてみてはどうだろうか。
午前試験は過去問がカギ
午前対策としては、とにかく過去問を繰り返した。
筆者がよく利用していたサイトは下記のサイトだ。
午前対策はこのサイトの過去問演習しかしていない。何故なら、この試験の午前の問題の半数以上は過去問が「問題文」も「選択肢」も「そのまま」で再出題されるからだ。これは非常に衝撃的だった。
過去に色んな資格試験を受けたが、経験上過去問が選択肢の並びも変えずに完全に同じ状態で出る試験はこの記事を書いている今でも情報技術者試験だけだ。
もちろん後述する午後対策も必要となるので、どの肢が正解なのかを覚えるのではなく、なぜそれが正解なのかを理解する必要がある。
ただ、それだけで午後も十分に戦えてしまう。
これが1ヶ月で合格できる理由だ。
とはいえ試験は試験なので、本番で覚えている過去問が出たら時間削減のために何も考えずに直接正解を選択することが大切だ。
毎日、電車やカフェでiPadで「過去問道場」をこなし、知らなかった項目については合格教本に立ち返り、合格教本に載っていない事項は検索するという作業を延々と繰り返すと良いだろう。
筆者が検索でよく利用していたサイトは下記のサイトだ。
イメージが掴めない用語はここで理解し、合格教本にメモしたりすると考えが纏まるだろう。
午後は午前の勉強が活きる
午前の勉強で理屈を伴った過去問演習を繰り返せば、午後試験を回答するための基礎能力も身につく。ただ、形式に慣れる必要があるので、過去問や予想問題集を利用すべきだ。筆者が使ったのはコレ。
午後は流石に過去問がそのまま出たりはしないが、一定の傾向はあるので、テキスト部分を読み込んだ上で過去問を2周しただけで高得点を取ることができた。
午後の分野選択はどう考えるか
午後は出題分野が11種類あり、「情報セキュリティ」は必須で、残りの10種類から4種類を選択することとなる。
これについては以下の議論がある。
- 4分野だけ勉強して本番もそれを選ぶという決め打ちする方法
- 全分野を勉強し、本番で問題を読んで簡単なものを選ぶという方法
これについては、確実に前者がオススメだ。何故ならば、本番で設問全体を通して簡単かどうか判明する頃にはかなり時間が経ってしまっているし、そもそも選び直したところで次もまた難問かもしれないからだ。
決め打ちで勉強した方が手っ取り早いし、難問だから解けないというのであれば、それはそもそも合格レベルに達してないだけだ。
合格とその後
資格の使い道
筆者はIT業界で働いているわけではないので、学習した知識を活用する機会は少ないが、細かい用語は抜けてしまうものの、エンジニアと喋る際になんとなく話についていけるようにはなったので、俺の求めていたリテラシー学習という目標は達成されたと考えている。
現在はプログラミング学習を進めているが、前提として全般的な基本的な理解としても活かせている。
今の時代ITに関する知識は欠かせないけど、情報処理系の学部でも行かない限りはあまり勉強する機会もないと思うので、俺の様に全然わからなくて不安を感じる人も多いのではないだろうか。
応用情報技術者試験は、IT全般について体系的に学習することができるし、サラリーマンが働きながらでも無理せずに合格できるので非常にコスパが良いと言えよう。
会社での評価は?
IT業界人にしてみれば昇進要件だったり転職に優位に働くようであるが、本格的に評価されるのは、この試験より上の「高度試験」である。
業界外にいると特に評価されたりすることはあまりないかもしれないが、最近は業務の自動化が進む中でIT教育に力を入れ始めた会社も増えてきているので、今後評価される機会も増えるかもしれない。
こりゃ俺が山田さんより先に受かっておけばワンチャンあるかもな
一人で何ブツブツ言ってんだ?
いやっ、ワンちゃんカワイー!なんて!さぁ仕事仕事っ!
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